これだけカメラや編集ソフトが進化した今、外注しなくても内制で動画制作できてしまうこともあります。
しかし、テレビCMや大型プロモーションをかけるときは、どうしても外注する必要があります。
動画制作を外注する際、制作会社の選定方法や、制作中、制作後に損をしないための注意事項をここでは解説します。
目次
外注する前に準備しましょう
動画を外注するからと言って、オールお任せではいい動画は完成しません。
制作会社にいた時、「どうやって、動画を使ってマーケティングすればいいですか。」という質問を受けることがあります。今もたまにあります。
もう、このようなことを言われてしまった時は、打ち合わせにきたこと自体無駄足だったと思えてしまいます。
仮に、商材を調べ、他者競合を調べ、市場をマーケティングし、どうやって売り出していけば売れるか(認知度が上がるか、など)を企画し、まとめ、プレゼンしたところで、一度も仕事になったことはありません。
残念ながら、そもそもプロモーションをするつもりがないからです。
発注する側も、真剣に取り組むことによっていい作品になってきます。
外注する前にこれだけは抑えておいた方がいいこと、お任せしない方がいいことをお伝えします。
予算や期間や出しどころは決めておきましょう
打ち合わせをする前に、予算、期間、どこで流すかは決めておきましょう。
どこで流すかという場合も、放送料(SNSでいえば、広告料)がかかってきます。
「動画制作が初めてなので…」と言われる方もいますが、100万円でも1000万円でも10万円でも動画はできます。
「予算がなければ質は保証できません。」というのが制作側の考えです。
したがって、「この予算で、いついつまでに、こういう動画を作りたい。流す場所はここだから、それを考慮して、企画してください。」が一番の近道になります。
予算
期間
イメージ
放映環境
プロモーションの動線を考えましょう
動画を作っても、動画が一人歩きして、お客様を捕まえてはくれません。
動画を見る前にたどり着く場所、動画を見る場所、詳しく内容を知る場所、商談する場所、契約する場所など、動画はプロモーションの中の1つです。
動画を作ることがゴールの仕事はありません。
コンテンツとして動画のみで成り立つ映画ですら、観てもらって、グッツを買ってもらってやっとビジネスになります。
したがって、動画を作ることに満足するような形のプロモーションではなく、販売や契約といった最終ゴールをしっかりと見つめ、制作会社にも共有するようにしましょう。
映像制作会社の選定の仕方
大小含めると都内には700近い映像制作会社があります。
その中で一番いい映像制作会社を決めることは至難の技ではありません。
何が得意で何が不得意かを見極めるだけでも、相当な時間がかかります。
では、その中でどうすればいい映像制作会社を見つけることができるかをご紹介します。
広告代理店と映像制作会社は違う
広告代理店と映像制作会社は全く違います。
広告代理店は映像を作ることはしません。実業務は映像製作会社が行います。
テレビCMは大手広告代理店しか放映の手続きができませんが、それ以外は、広告代理店を介さずに映像制作を外注することは可能です。
広告代理店に依頼する利点としては、映像以外のことも依頼できる点です。
もし、新規で単発の動画を作りたい場合は、制作会社にお願いした方が安くすみます。
webで検索して映像制作会社を見つける
検索で「動画制作会社」とすれば、大量に映像制作会社を見つけることができます。
これを一つ一つ観ていくやり方です。
上位に来ている会社はSEO対策をしており、「ある程度お金も持っている会社=受注している会社」となります。
「受注している=いい会社」かはわかりませんが、SEO対策を内制化している可能性もあるため、一概には言えません。
予算感も載っていますので、参考の基準としても、いいかもしれません。
映像の展示会に行って話を聞いてみる
映像の展示会がビックサイトや幕張メッセであります。
そこに出向いて、実際にあって話を聞くのも手です。
対応の良さや、展示会ブースの質で見極めることも可能です。
展示会は招待されていれば、無料で入れます。
マッチングサイトで紹介してもらう
企業同士のマッチングサイトなどがあります。そこで探すのも一つの手です。
営業担当がいるようなところであれば、ある程度の条件を投げて絞って紹介してくれます。
制作会社側に紹介料を負担させるところが大半ですので、無料で紹介してもらえます。
友人や知人、関連企業からの紹介
友人や知人、関連企業からの紹介という手段もあります。
断りづらい状況にもなりますが、はっきりと、他にも声をかけている旨、ビジネスであることを伝えましょう。
利点としては、制作過程の対応などを確認できます。
個人のフリーランスのクリエイターを探す
また、個人で仕事をしているフリーランスのクリエイターを探すのも一つの手です。
この場合、会社のお願いするのと違い、若干、責任問題に不安はありますが、映像業界のスタッフは、半分以上がフリーランスと思っていただいていた方がいいかと思います。
「弊社のスタッフです」と紹介されても、実はフリーランスの場合があります。
フリーランスにお願いする利点としては、安いことです。
デメリットは、体力であったり、リスクになりますが、一度、小さい仕事で様子を見て、大きな仕事にしていくという流れであれば問題ないかと思います。
見積もりや実績ではなく企画力で判断するべし
企業として、外注する際にはどうしても見積もりと実績が上長に説明しやすい材料になります。
しかし、見積もりも実績も当てにならないということは大いにあります。
特に実績は嘘をつきやすいので、注意が必要です。
見積もりは今の段階での見積もりです。
予算感での実力を見るには、打ち合わせをした際に、「例えば、この時はざっくりいくらですか?」と聞きます。
ざっくりと内訳と内容を聞き、納得できる金額を即答できる会社はいい会社です。(その金額感を当てにしてもいけませんが…)
「プロデュース能力、管理能力、経験がある」と判断して問題ありません。
実績で言えば、細かく聞いてみてください。
見せてもらった映像の
「監督は誰ですか?」
「企画は誰ですか?」
「この動画の企画意図はなんですか?」
「予算、制作期間はどれくらですか?」
「この動画を作った後の効果はどうでしたか?」
と。
実績を見せている人間が関わっていないと答えられません。
最後に「あなたが関わって一番結果が出た動画を見せてください」と聞きましょう。
ちゃんと動画を見せてくれて、企画意図を答えることができ、予算感、制作期間、そして、結果を話せれば、信頼たる制作会社です。
企画力とは、もちろん未来を描いてますので、不確かな情報しかありません。
確約がない状況です。
しかし、企画のプレゼンを聞いて、説得力があり、マーケティングによる裏付けがあれば、十分信頼たる制作会社です。
プレゼン資料の綺麗さも大切です。
予算や実績ではなく、企画力とその裏付け、マーケティング力で選定することがいい動画を作る近道です。
綺麗な映像は誰でも撮れる
カメラの技術が進歩しました。
また、現在の流行りとして、一眼レフカメラからそのレンズを使用できる安く綺麗な絵が撮れるカメラが安く出ています。
インスタグラムの流行により、人々が、「いい!」と思うものは、コントラストと彩度が少し強い絵になってしまいました。
これはある程度基本を抑えれば誰でも加工でき、「いい!」と言わせてしまうものになりました。
したがって、実績を見て「いい!」という感覚を持ってもそれは当てになりません。
知らない商材のプロモーションを見て、「本当にそれの良さを伝えているか」、「どこに出す動画で、どういった手法が取られているか」を見極めるのはなかなか難しいです。
打ち合わせで雰囲気に飲まれずに冷静に判断しましょう。
打ち合わせ対応・電話対応やメール対応も大切な要素
「打ち合わせでのマナーがある」「電話対応がしっかりしている」「メール対応が早い」「打ち合わせなど臨機応変に対応してくれる」なども判断材料としてとても大切になります。
発注後のやりとりで、納期に間に合うかどうかは、こういったところに全て現れます。
また、撮影をしてもそういった点がスタッフに現れます。
打ち合わせで焦ってしまう人は撮影でも焦ってしまいます。
そうすると、本来撮らないといけないものも撮れなかったということも出てきます。
そういう細かいところもみましょう。
納品間際の対応度も重要
納品前の修正回数や試写の回数を確認しましょう。
「修正1回につき、いくら」と取られてしまう場合があります。
正直、テロップくらいの修正でお金を取るのは取りすぎですが、それが5回も6回もいくのも負担が大きいです。
だいたいでいいので、あらかじめ決めておき、対応してくれるかどうかも確認が必要です。
また、納品後の権利についても主張しましょう。
映像の広告物についての著作権は、クライアントにあることが多いですが、修正をして稼ぎたい制作会社は渡そうとしません。
そこについても、「撮影素材は全てもらう旨、納品後に自由に修正していい旨」を受注前に確認しましょう。
注意点としては、役者やタレントが出演している場合は、年契約や1クール(三ヶ月)の出演契約になってしまいます。(これも業界のルール上仕方ありません)
その際に、動画広告のみの出演で依頼していたら、紙媒体に使用すると追加費用が発生する場合などあります。
役者やタレントを使用する場合は、事前の契約内容に幅を持たせ、あとから追加費用が発生しないように注意しましょう。
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